将来への不安とは・・・④
「友よ。わが家はすでに恵まれている。
しかし、かつてわたしが今のあなたのように貧しかったころ、
ある人から情をかけてもらわなかったら、
こんなに裕福な生活は送っていなかっただろう」
ジョンはさらにくわしく、あの医者と金の延べ棒の話をしました。
このふしぎな話を終えると、金の延べ棒を貧しい男にくれてやりました。
もう必要がなくなったと思ったからでした。
男は金属にくわしい知識を持っていたので、
この夫婦の親切に最初はとても感動しましたが、
いざそれを手に持ってみると、
すぐにそれが本物の金ではないことがわかりました。
男は夫婦に言いました。
「あなたがたの申し出にはとても感謝していますが、
残念ながらこの重さからして、
これは金の延べ棒ではないと申し上げなければなりません」
妻は金の延べ棒を手にすると、
本物の金かどうかをたしかめようとするみたいに、
エプロンのすそでこすりはじめました。
するとそれまで気づかなかった文字が浮かび上がってきました。
そこにはこう書かれていました。
「不幸は、今の貧しさよりも将来の不安から生じる。
勇気を持って人生を歩めば、旅の終わりには幸福が待っている」
( ウェールズの昔話 より )






