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心配ばかりして暮らすより~

私達はどうなるか分からない将来への不安に苛まれて非常に苦しむことがあります。

不安に関してウェールズに伝わる物語をご紹介します。

 

~ 金の延べ棒 ~

むかし、安心して眠ることを知らない貧しい働き者がいました。

泣き虫ジョンというあだ名のその男は、今が良くても悪くても、先のことが気になり、いつも不安をかかえているものだから、どんどんやせてしまい、近所の農家は彼に仕事を与えるのをためらうほどでした。

ある日のこと、頭をかかえて道端にすわっていると、となりの町からやってきた親切な医者が馬車を止めて、いったいどうしたんだとたずねました。

「何か悩みごとでもあるようだね。
わたしにできることがあれば、相談にのってあげるよ」

そのやさしい声にはげまされたジョンは、思わず悩みごとを打ち明けました。

「もし、わたしが病気になって働けなくなったら、かわいい子どもたちや妻はいったいどうなってしまうんでしょう?

こんなに不幸な家はないですよ」

そう言うと、ジョンはまた頭をかかえ、肩をふるわせて泣きだすのでした。

「おいおい、どうした」と医者は明るい声でなぐさめました。

「とにかく顔をあげなさい。できるだけのことはしてあげるから。
その不安をなんとかしないと、そのうち不安にやられてしまうよ」

医者は男を馬車に乗せてやると、御者にまっすぐ自分の屋敷に行くようにと命じました。

そして、家に着くと、書斎に案内しました。

「ほら、これを見てごらん」

と医者はガラスの箱に入ったきらきら輝く棒を指差しました。

「この金の延べ棒は父親からもらったものなんだ。わたしの父も、今のあなたと同じように貧乏だった。

必死で働いて倹約し、この金の延べ棒を買えるほどお金をためたんだよ。

わたしもその父を見習い、がんばってきたから、今のような余裕のある暮らしができるようになった。

わたしにはもうこの金の延べ棒はいらないから、あなたにあげよう。これを持てば、先のことを心配しないでもすむ。

ただし、本当に必要になったときしか手を出してはだめだ。

それとね、めそめそ泣いたり、自分をあわれんでみても、どこにも行けないということを忘れないように」

泣き虫ジョンは何度も何度も医者に礼を言うと、大喜びで家に帰って行きました。

そして、奥さんと火に当たりながら、ジョンは親切な医者から言われたことをくわしく説明しました。

「この金を地下の物置に隠し持っているというだけで、すべての不安を取りのぞいてくれるんだよ」

とジョンは妻に説明しました。

その日からジョンは別人のようになりました。

楽しそうに歌を歌ったり、口笛を吹いたりしながら仕事に出かけるのです。頬はふっくらとし、目の色が明るく輝くようになりました。

心配ばかりして時間をつぶすのではなく、小さな畑をたがやしはじめると、家族が食べるだけではなく、あまったものを売るようになりました。

それまでときどきしかやとってくれなかった農家も、一年を通じてやとってくれるようになったので、生まれてはじめてまとまったお金が入ってくるようになりました。

「金の延べ棒が幸運をもたらしてくれたんだ」

ジョンはたびたび妻に向かってそう言うのですが、妻のほうは、先のことをあれこれ考えずに働らくようになったから「幸運」がやってきたのだと思っていました。

でも、そのことをあえて口に出しては言いませんでした。

それから何年もたったある夏の夜、広い庭に出て、孫たちが遊ぶのをながめていると、見知らぬ男が通りかかり、お金を少し恵んでくださいと言ってきました。男は汚ならしい見なりをしていましたが、悪い人ではなさそうでした。

夫婦はかわいそうに思って、家にまねき入れました。おいしい食事と清潔な衣服を与えられた男が礼を言おうとすると、ジョンはその手を握って、こう言うのでした。

「友よ。わが家はすでに恵まれている。しかし、かつてわたしが今のあなたのように貧しかったころ、ある人から情をかけてもらわなかったら、こんなに裕福な生活は送っていなかっただろう」

ジョンはさらにくわしく、あの医者と金の延べ棒の話をしました。このふしぎな話を終えると、金の延べ棒を貧しい男にくれてやりました。もう必要がなくなったと思ったからでした。

男は金属にくわしい知識を持っていたので、この夫婦の親切に最初はとても感動しましたが、いざそれを手に持ってみると、すぐにそれが本物の金ではないことがわかりました。

男は夫婦に言いました。

「あなたがたの申し出にはとても感謝していますが、残念ながらこの重さからして、これは金の延べ棒ではないと申し上げなければなりません」

妻は金の延べ棒を手にすると、本物の金かどうかをたしかめようとするみたいに、エプロンのすそでこすりはじめました。

するとそれまで気づかなかった文字が浮かび上がってきました。

そこにはこう書かれていました。

「不幸は、今の貧しさよりも将来の不安から生じる。
勇気を持って人生を歩めば、旅の終わりには幸福が待っている」

 

( ウェールズの昔話 より )

 

 

うつ病・抑うつ状態でお困りの方やお仕事を休職中の方向けのカウンセリングについてもっと知りたい方はこちらのページにてご案内しております。

 

 

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